time
あいちゃんの協力あって海斗と一緒にいる機会が多くなった。
「あいちゃーん、海斗とあたしと3人で帰ろう!!」
教室で帰りの仕度をしているあいちゃんに声をかけた。
「ぅんっ!チョット待ってね。すぐ終わるから。」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ~。ちゃんと待ってるからさッ。」
仕度ができたあいちゃんと教室をでて玄関へ向かう。
玄関には、床に座りこみ外を眺めている海斗がいた。2人が近づくとめんどくさそうに立ちほこりを払った。
「海斗ぉ~おまたせ!!」
「うん。帰るかー」
こうして美絵たちは学校をあとにした。
3人で帰る途中、後ろから勇輝くんが歩いてきた。
勇輝くんはあいちゃんの大好きな人だ。
そっと、あいちゃんに言った。
「あいちゃん、勇輝くんがいるよ。2人で帰ってみる??」
「えっ!?ムリだよ~」
頬を赤らめているあいちゃんを気にしながら、勇輝くんに呼びかけた。
「勇輝くーん。これで帰るの??」
「うん、そうだよ。どうかした??」
「あのさ、あたしたちこれから用事があってあいちゃん送れないの。だから頼んでいいかな?」
「うん。分かった!じゃぁ、帰ろうか。」
あっさりとOKしてくれたので助かった。
あいちゃんと視線を交わし海斗を連れて違う道へと歩く。
しばらくすると、海斗が口を開いた。
「嬉しそうだったな、あいちゃん。」
海斗は知っていたんだ。
あいちゃんが勇輝くんを好きだということを。
それと同時に、
海斗は一体誰が好きなのだろうという疑問が浮かんできた。
「ねぇ海斗。海斗は―――」