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第1章 小学校

はじまり

pi pi pi pi…ガチャ



「ふぁ~、眠ッ!!」


まだ眠りから覚めない重い体をゆっくりと起こし、目をぎゅっとつぶりながら背伸びをした。



今日の天気は快晴。

音をたてながらカーテンを開けた後、壁に架かっている制服に手を伸ばす。





あたしの名前は、東野美絵。


すばやく制服に着替え洗面所に向かう。


まず、顔を洗い…次はメイク。

ポーチから道具を取り出し鏡をみてメイクをする。

この動作にも随分慣れた。

今までは、アイメイク命!だったが最近はベースに気合を入れるようになった。



メイクも順調に終わり髪にうつる。


「どうしよう。コノ寝癖。。。」


いつもは寝癖がつく方じゃないのに、今日にかぎって・・・サイテー。

テンションが下がりながらもドライヤーで丁寧に直していく。

5分後、なんとか出来た。




「美絵~!!まだ終わらないの?」



遠くでお母さんがけたたましく呼んでいる。

洗面所を後にし、いそいそとリビングへと向かった。





ドアを開けたのと同時にお味噌汁のいい匂いがした。


「もぅ、そんなところに立ってないで早くご飯食べちゃってよ~。また・・・」


はいはい。


でも確かに今日は時間がない。

椅子に座り黙々と食べていると




「ねぇ、本当に大丈夫なの?その髪・・・。」


心配そうな顔でお母さんがこっちを見ていた。


何かというと、春休みになってスグ染めたこのほんのり茶色い髪。




でも、高校デビューしたいわけでも、これが初めてでもない。





「大丈夫だってぇー。あんま分かんないし。なんとかなるよ!」



平然と答え、席を立つ。

朝からお母さんの説教はもうこりごり。

あたしの耳には、お経にしか聞こえなかった。


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