俺と少女とくまと夏休み
あちらこちらで蝉の鳴き声がするなか、
古いアパートの階段をカンカンと音を立てながら上がる。



『…あれ、鍵、どこやったっけ…?』



ズボンのポケットをパンパンと叩いてみる。




『……』




期待していたチャラチャラという音はしなかった。





何処だ?!何処でなくした?!


早く部屋に入って、クーラーをつけて
大好きなアンパンとミルクティーを飲もうと思っていたのに。



早くこの暑い太陽から逃れたいのに。




『あー…来た道を戻ってみるかな』


暑さで溶けそうな頭ででた答えはこれだった。
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