くろねこ。
side**another
**響**
ネコ・・・
財閥のご令嬢がなんであんな所に居たんだ??
それに・・・あの身体中の傷。
薄っすらと目立たない程度にキレイにはなっているが、首の後ろにあった拘束の痕・・・。
髪の毛を乾かす時に触れたネコの細い首を思い出す。
「ねぇー。ネコ俺らの学校に転校させちゃおっか~??」
「おー!それは良いアイデアじゃないか弟よ!」
「ふっ。ネコの気持ちしだいだよ。」
双子のアイデアに悪くないな、とネコのいる学校を想像する自分がおもしろい。
「それにしてもネコってなんかセクシー。」
秋季の発言に納得。
子供っぽいくせに出るとこ出てて引っ込んでるとこひっこんでて。
肌もすべすべしてるのが見てるだけで分かる。
大きな目もうるっとして、じっと見られたらやばい・・・。
小さい手も、細い身体も、真っ直ぐな足も。
要因としてはそそられる。
それに、秘密の多い事、人懐こい事。
自分だけの物にしてみたい衝動に駆られる瞬間がある。
「日和は大丈夫か~??」
見上げれば空は薄っすらと朝を迎えていた。
んん~。と伸びをして空を見上げる。
明日もネコに会いに行くか。