ラストゲーム
「はぁ?」




男は、私に鋭い眼光を向けた。




そんな目にひるむ私では無い。




「何故、渋谷で女性に発砲したんだ?」




相手の眼光に負けない様、私は、相手の目を鋭く見据えた。




「・・うるさかったから。」




無造作に吐き捨てられた言葉。




男の表情に反省の色は無い。それどころか口元に笑みをたたえている。




「俺の前で、ケータイで大声でしゃべっててうざいから殺した。」




呆れる程の些細な理由。




私は唖然とした。




「お前は、ただうざいだけで人を殺すのか?」




もはや、この男に生きる価値は無い。




この場で撃ち殺したほうが世のため人のために違いない。



しかし、引き金を引くことは出来ない。




法がそれを許さないからだ。
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