ラストゲーム
「はぁ、何ですかそれ?」



上司の命令が理解できず、私はもう一度説明を求めた。




重要任務とは、刑事が撃たれたという責任追求の声を押さえるため、犯人が全面的に悪く、こちらは被害者だと言う事をマスコミの前でアピールしろというものだった。




「あの、こんなことをして何か意味があるのでしょうか?」




こんなことをしても佐藤刑事の命は、戻ってこない。



私は、上司の顔を不信な表情で見つめた。




「君は、言われた通りにやればいいんだ。」




私の疑問に対して、返ってきたのは、余裕の無い上司の言葉だった。




これが仕事なら仕方ない。



私は、指示どおり職務を全うした。
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