ラストゲーム
午後5時。
業務の合間をぬって、探偵事務所に向かう。




駅前にあるので本当に助かる。



扉を開けると、愛想のいい探偵が笑顔で出迎えてくれた。




その笑顔は、何度見ても営業マンにしか見えない。



「こちらにお座りください。」




探偵に促され、私は長椅子に腰を下ろした。



「こちらが、神宮奈央さんのことをまとめた資料です。」




探偵に手渡されたA4サイズの茶封筒。




この中に奈央の情報が詰まっているのだ。




そう思うと、やけに重みを感じた。




「それと・・・こういうものも見つかったんで、資料としてお持ち帰りください。」




探偵が差し出したのは、ビデオテープ。




私は、そのパッケージを見て絶句した。



「エリカ、絶叫90分
・・・もっといじめて。」



AVだ。



エリカと名乗っている女性は、奈央そっくりだ。




どうやら奈央は、AV女優にまで落ちたらしい。




成人過ぎて、セーラー服に身を包み物欲しげな視線を向ける奈央。




まさか、たった10年の間にここまで落ちていたとは・・・。



もはや、軽蔑に値する。
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