ラストゲーム
私は、田中雅樹の逮捕に全力を注いでいた。




ここ1週間、張り込みでろくに寝ていない。




というより、田中雅樹のことを四六時中考え、怒りで夜も眠れないのだ。




今でも鮮明に覚えている。



表情、声。全てが憎い。




法が許してくれるなら私はとっくにこの男を抹殺している。




ここまで私に憎しみを抱かせる男、田中雅樹。




彼と出会ったのは、高校1年の春だった。
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