ラストゲーム
私は、一度死のうとした。



屋上に立っている。




フェンスを乗り越え、
「後一歩で楽になれる。」
と死に対する憧れさえ抱いていた。




真っ青な空だった。




ここから飛び降りても死ねないのではないかと不安に感じるくらい平和な空だった。




「あっれー、三井さん?」
現れたのは私がこの世で一番憎い男、
田中雅樹だった。
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