Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
スーパーの棚で私が見ていた、あのコーヒー豆。
……なんで。
なんでこの人は、あんな一瞬だけで
私の欲しいものが、わかってしまったんだろう。
「ありがとうございます……」
受け取ったコーヒー豆を、すぐにはバッグには入れず
大切に、胸の前で持つ。
再び歩き出した天馬さんの、風になびく黒髪を
私は目をこらすように、月明かりの下で見つめていた。
―――SAYA