Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
寝ぼけて幻覚でも見てんのかと思ったけど。
アパートの前の花壇に座って、無表情でこっちを見ているのは、まぎれもなくダイスケで。
一気にさめる酔い。
なんで?が渦巻く頭。
とりあえず、降りなきゃ……。
財布からタクシー代を出そうとすると
「どうせ通り道だからいいよ」
とテルさんが止めた。
「そんなことより、早く降りた方がよくね?」
苦笑いのテルさんの視線が、チラッとダイスケの方に向く。
あたしはバツの悪い気持ちでいっぱいになった。
「それとも、俺も一緒に降りようか?」
「……いえ。すみません」
あたしは観念して車を降りた。