Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
混雑していた車内は、ベッドタウンを過ぎるといっきに乗客が少なくなった。
あたしとタケルは空いた席に並んで座った。
「あぁ~、なんで電車の揺れって、こんなに気持ちいいんだろ~」
「寝過ごすなよー」
「うん。がんばる」
タケルの住んでるところまでは、あと4駅。
あたしんちは、そこからさらに2駅先だ。
タケルが降りて話し相手がいなくなったら、たしかに即、眠っちゃいそう。
タケルはいろいろ心配して、「送ろうか?」って言ってくれたけど
……たぶん、今日はナミもまだ帰ってきてないし。
アパートでふたりきりになったら気まずいから、断った。
あたしは眠気を覚ますために、ぐるりと車内を見回した。
すると、網棚の上に貼られた広告が目にとまった。