Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
あたしの話にあきれたり相づちを打ったりしながら、沙耶は手際よく夕食の準備を進めてく。
沙耶はこの家で唯一、まともな料理ができる人。
あたしやナミもたまに気まぐれで台所に立つけど、出来上がるのは見たこともないナゾの食べ物ばかり。
それに引き替え、沙耶が作る料理は美味しい。
何ていうか、正しくおいしいごはんって感じ。
いろんな意味で沙耶は、この家の“お母さん”なんだ。
「ねぇねぇ、沙耶ママ」
「ママはよけい」
「ナミ、まだ帰ってこないのかなぁ」
あたしは猫のシュシュールをひざに乗せてなでながら、21時を指す時計を見上げた。