Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
とぼとぼ歩いて、アパートに向かっていると
「沙耶」
いきなり後ろから声をかけられ、私は飛び上がった。
颯太が、そこに立っていた。
「おかえり、沙耶」
「……ただいま」
嫌味のつもりの“おかえり”に、条件反射で普通に返事してしまったことが癇に障ったらしく、あからさまに眉を寄せる颯太。
その表情には、朝帰りした私に対する非難がたっぷりこめられている。
「沙耶、ずっと携帯の電源切ってただろ」
「え?……あ、充電切れてて。ごめん」
「今日のシフト、昼からだよな。
ちょっと時間いい?」
「うん……」
部屋にはナミやはるかがいるだろうから、早朝からオープンしている近所のカフェに移動した。