Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
一杯200円のコーヒーは、ぬるくて、香りも好みじゃなかった。
「昨日、お前が電話で言ってたこと、ちゃんと説明してほしい。
あんな一方的にキレられて電話切られたんじゃ、ワケわかんねーよ」
タバコに火をつけた颯太が、貧乏ゆすりしながら言う。
私はコーヒーカップを唇につけたり離したりしながら、言葉を探した。
「……結婚、は」
「うん」
「いつかしたいとは思ってたけど、今すぐだとは思ってなかったの」
「……」
「なのにどんどん話が進んでいって」
「……」
「仙台でカフェを開くっていう話も、嬉しいけど、複雑だった。
私ね、自分のお店を持ちたくて、今までずっと貯金してきたから――」
「それ、いつから思ってたわけ?」
「え?」
「いつから不満抱いてたんだよ」