Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
◆はるか
「ダイスケさん!」
数メートル手前から声をかけると、退屈そうに携帯をいじっていたダイスケさんが顔を上げた。
あたしはヒールの音を鳴らしながら、彼の元まで駆け寄った。
「すみませんっ。あたしから呼び出したくせに、待たせちゃって」
息を切らすあたしに、プッと笑うダイスケさん。
「そんな走らなくても平気だったのに。
鼻、真っ赤になってるよ」
「えっ、やだ、嘘!」
「嘘」
「……もう~」
今日のダイスケさんは帽子をかぶっていて、いつもと少し雰囲気が違う。
……『いつも』って言っても、会うのはまだ4回目だけど。