Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
いきなり天馬さんの声が降って来て、私はあわてふためいた。
「あぁ、やっぱり沙耶さんだ」
カーテンを全開にして、窓から顔を出す天馬さん。
そこは私が見上げていた部屋の、お隣の部屋。
……右から3番目だったのか。
って、そんなこと考えてる場合じゃない!
「どうしたの、こんな遅くに」
「いやっ、その」
『通りかかった』は通用しないだろう。ストーカーみたいに見上げてたことがバレてるんだし。
どうしよう、何か他の理由を探さなきゃ……
「めっ、免許証!」
「免許証?」
「……を、なくしたみたいで。
もしかしたら、天馬さんのお部屋に、落ちてないかと……」
あまりに苦しい言い訳に、だんだん声が小さくなる。