Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「あ、いいですっ。お仕事中なのに」
「平気平気。それより、大事な物なんだからちゃんと探そう?」
「……」
大事な物は、もう見つかりました。
天馬さんの顔が見れた。
バレンタインを彼女と過ごしてないことがわかった。
だからもう、いいんです。
……そんな勝手なことを思ってしまう私は、なんてハタ迷惑な女なんだろう。
「すみません。
ホントは、嘘なんです」
弱々しい私の声に、天馬さんが手を止めた。
「嘘?」
「はい。免許証なんか、なくしてなくて、……ただ口実が欲しかっただけで」
しまった。
最後の言葉はストレートすぎた。