Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「お仕事の邪魔して、すみませんでした。失礼します」
「あっ、待って。沙耶さん」
きびすを返した私の手を、天馬さんが素早くつかんだ。
触れた部分から火がついたように、全身熱くなった。
「ありがとう。
僕も探してたんだ。口実」
「え……」
舞い上がりそうなほど嬉しくなって。
でもすぐに颯太の顔がチラついて。
そして、『優しい天馬さんのことだから私に気を使ってくれたのかも』って想像して。
いろんな思考が、頭の中で交差した。
「よかったら携帯、教えてもらえるかな」
「……天馬さんのを教えてもらっていいですか?
私から、かけますから」
もしこっちの番号を教えたら
きっと私は四六時中、連絡を待ち続けてしまう。