Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「……帰ります」
「送ってくよ」
「いえ、大丈夫です」
「僕が心配だから」
「ホントに。大丈夫です」
これ以上、優しさで惑わせないでほしい……。
「おやすみなさい」
マンションを出た私は、コートの襟をかき合せて、駅へと急いだ。
……うちに着いたら、きっと私は爪をピカピカに磨くんだろう。
ずるいけど、悔しいけど、天馬さんが褒めてくれた部分だから。
胸がヒリヒリして、なのにドキドキする。
近づいちゃいけないのに、きっともっと惹かれてしまう。
人を好きになる気持ちって、こんなに止められないものなんだ。
これじゃ私もはるかのこと言えないね。
……はるかは今、ダイスケくんと、どこにいるんだろう。
―――SAYA