Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
街中で言い争う私たちに、まわりから注がれる好奇の視線。
それに気づいた颯太は、とたんにバツが悪くなったのか
「沙耶。行くぞ」
と私の手を取り、強引に歩き始めた。
颯太に引っ張られながら、私は天馬さんの方をふり返った。
映画館の前に立ち尽くし、まっすぐこっちを見ている彼。
しだいに開いていく距離。
行き交う人たちの姿にジャマされ、今にも見えなくなりそうだった。
「……天馬さんっ」
私は衝動的に名前を呼んだ。
「いいかげんにしろよ、沙耶」
手を引っ張る颯太の力が、ぐんと強くなる。