Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「あ、ナミも来てたんだ~!」
店に入ってきたはるかが、あたしを見つけて駆け寄ってきた。
「うん。はるか、休憩中?」
「たったの20分だけどー。沙耶、あたしレモンティーね」
注文するはるかを尻目に、スプリングコートを取って立ち上がるあたし。
「もう行っちゃうの? ナミ」
「夕方から飲み会なんだ」
「あー、そっか。誰か結婚するんだっけ」
無邪気なはるかの言葉に、あたしの耳がピクンとなった。
たしかに今日の飲み会は、結婚が決まったダンサー仲間の子のお祝い。
でもそれ、あたしの口からはるかに言ったことないよね?
じゃあ、誰から聞いたのか。容易に想像がつく。
「……行ってくるね」
不機嫌が顔に出ないうちに、あたしはさっさと店を出た。