Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
もう会わないと決めたはずの、天馬さんがそこにいて。
「なんで……」
私は迷子の子供のような、頼りない声でたずねた。
天馬さんは店内に入ると、ひとつのテーブルのそばに立った。
そこは、いつも天馬さんがコーヒーを飲んでいた席……。
「今日、沙耶さんのお友達が僕のところに来たんだ。
はるかちゃんと、……ナミさんだっけ」
……あのふたりが?
どうして……。
「ビックリしたよ。“彼女がいるくせに沙耶を泣かせるなんて許せない!”って、すごい剣幕で怒ってて。
ふたりとも、沙耶さんのことが本当に大切なんだね」
そう言ってクスッと笑う天馬さん。
「ご、ごめんなさい。まさかそんなことになってたなんて」
「いや。逆に感謝してる。
おかげで誤解が判明したんだから」
「え?」
「僕、彼女なんていないよ」