Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~


もう会わないと決めたはずの、天馬さんがそこにいて。


「なんで……」

私は迷子の子供のような、頼りない声でたずねた。


天馬さんは店内に入ると、ひとつのテーブルのそばに立った。

そこは、いつも天馬さんがコーヒーを飲んでいた席……。


「今日、沙耶さんのお友達が僕のところに来たんだ。
はるかちゃんと、……ナミさんだっけ」


……あのふたりが?
どうして……。


「ビックリしたよ。“彼女がいるくせに沙耶を泣かせるなんて許せない!”って、すごい剣幕で怒ってて。

ふたりとも、沙耶さんのことが本当に大切なんだね」


そう言ってクスッと笑う天馬さん。


「ご、ごめんなさい。まさかそんなことになってたなんて」

「いや。逆に感謝してる。
おかげで誤解が判明したんだから」

「え?」

「僕、彼女なんていないよ」

< 343 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop