Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「……」
驚きすぎると声も出なくなる。
嬉しいはずなのに、頭がついていかなくなる。
ようやく唇を動かせた私は、か細い声で「マニキュア……」とつぶやいた。
「あれは、姉が置いていったやつ。うちの姉、一応ネイリストだから」
「あ……」
そうだった。天馬さんのお姉さんは、はるかのネイルサロンのオーナーだ。
まったく想像もしていなかった事実に、私はますます呆然としてしまった。
「沙耶さんがそんな誤解をしてたなんて知らなかったから
僕に対してよそよそしいのは、きっと僕の片想いなんだと思ってた。
沙耶さんに彼氏がいることは気づいてたし。
やっぱり迷惑なのかなって」