Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
あたしはコートを脱ぎながら、部屋を見回す。どうやら沙耶は留守っぽい。
はるかひとりのキッチンには、作ったままほとんど手をつけていない料理。
「これ、はるかが作ったの?」
何気なく質問すると、急にはるかの顔が赤くなった。
「ううん。……タケルが」
「あ、タケル来てたんだ」
「う……うん」
消えそうな声で返事して、目を泳がせるはるか。明らかに、様子がおかしい。
「……タケルと何かあった?」
ガタン!と大きな音を立てて、はるかがイスから立ち上がった。
「別に!何も!全然!」