Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「カットは、タケルに任せる」
「でも漠然としたイメージくらいはあるやろ?」
「ううん」
あたしは首を振った。
「あたし……本当に好きな人ができたの」
タケルの瞳がかすかに揺れる。
「タケル、前に言ったよね?
いつか本気で好きな男ができたら、俺のところに髪切りにこいって。最高に可愛くしてやるからって。
だから……今日はタケルに任せたいんだ」
「……そっか」
小さくつぶやくと、タケルは真剣なまなざしで、鏡の中のあたしを見た。
「けっこう切るけど、ええか?」
「うん」
そして器用な手つきで、ハサミを動かし始めた。