Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~


ひらり、ひらりと。

花びらが舞うように落ちていく、あたしの髪。


ほとんど会話もなく、黙々と

でも慈しむように、丁寧に

タケルはハサミを動かし続けた。



長い指があたしの髪に触れるたび、胸に痛みが走る。

苦しいような気持ち。


この感情を、あたしは知ってる。

タケルと付き合ってたとき、何度も味わった。


手をつないだり、タケルの愛を感じたりするたび、胸が苦しくて。

あたしはそれを、『本当に好きじゃないからだ』と思ってた。


でもそれは勘違い。

今ならハッキリわかる。


あたし、タケルがいとしすぎて、あんなに苦しかったんだ。


< 374 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop