Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
そしてお店の出口まで見送ってもらった。
あたしはもう泣いちゃいそうで
でも、泣くのはガマンした。
「ホント、ありがとう」
「あー……うん」
夜の街並みに視線を泳がせながら、ぼそっとつぶやくタケル。
「あの……お前が本気で好きな男って、あいつ?ダンサーの」
「ううん。他の人」
「そっか。……もう付き合ってるんか?」
「ううん。これから告白する」
「そう……」
泳いでいたタケルの視線が、あたしの方を向いた。
短くなった髪にそっと触れて
そして太陽でも見るみたいに、まぶしそうに目を細めた。
「……うん、ええ感じ。さすが俺のカットやなー。めっちゃ可愛いわ。
これならどんな男でも落とせるよ。がんばれ。絶対、告白うまくいく――」
「好き」
「え?」
「あたし、タケルが好き」