Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
目と鼻を真っ赤にした、男の子の素直な涙を見た瞬間
おさえきれない愛しさが、胸にこみあげた。
あたしはタケルをぎゅっと抱きしめた。
小さなあたしの体じゃ、抱きついてるようにしか見えないかもしれないけど
でも、思いっきり抱きしめた。
「好きっ、タケル、好きーっ!」
「叫ぶな、アホぉ……」
「だって大好きーっ!」
……そして
初めてのキスをしながら
ふと胸によみがえるのは、中学時代のあたしたち。
あのころはあたしの方が泣いて、タケルが笑ってた。
昔から惚れっぽくて、失恋ばかりだったあたしに、学ラン姿のタケルがこう言ったんだ。
『どうせお前はこれからも、また暴走して、失恋するんやろ?
ええよ。好きなだけ泣いとけや。
その分、いつも俺がとなりで笑ったるから』