Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「何してんの?」
退屈になったのか、キッチンをのぞきこんでくる颯太。
「おいしい紅茶の葉っぱ見つけたから、お店で出してみようと思って」
「へぇ。またそんなことしてるんだ、沙耶」
颯太が悪気なさそうに、でも少しあきれたように笑った。
私はよくこうやって、自分で見つけてきた美味しい葉っぱとか、美味しい淹れ方をお店で試す。
それは颯太いわく、『仕事熱心だけど効率が悪い』らしい。
たしかに、私がこだわるほども、お客さんは違いに気づいてくれないことが多い。
アイスティーなんかは作り置きしたものを出す方が早いし、コストも抑えられる。
でもやっぱり私は、ひとりひとりのお客さんに対して、出来る限りのものを用意したいんだ。