Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
はるかの逃亡は素早かった。
クルッとターンしたかと思うと、出口に向かって猛ダッシュ。
普段の彼女の運動神経からは、想像もできない俊敏さ。
でも、やっぱり男の子の足には適うはずなくて。
……そういえばタケルは学年で一番、足が速かったっけ。
あっという間にはるかの手を後ろからつかまえたタケルを見ながら、そんなことを思い出した。
「逃げんなや!」
「やーっ!離して! ムリ、ムリ!」
タケルに握られた手を、ブンブンと上下に振り回すはるか。
事情を知らない人が見たら、きっと痴漢に遭ったようにしか見えない。