Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
やっとふり返ったはるかは、泣きそうな顔をしていた。
「なんちゅー顔してんねん」
「だって、タケルが困らすようなこと言うから……」
「迷惑?」
少し考えて、はるかが首をハッキリと横に振る。
タケルは安心したように、はにかむと
「とりあえずふたりで話そ」
とドアを開け、そして思い出したように、こちらをふり返った。
「沙耶。騒がせてごめんな」
「あ、ううん」
「コーヒー代……」
「いいよ、まだ淹れてないし」
片手を顔の前に上げて、「ごめん」のポーズをとるタケル。
店を出ていくふたりの背中を、私はぼんやりとながめた。