Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「うん。紅茶の葉っぱと一緒に見つけたの。すごく香りがいいから――」
「でも単価がちょっと高いな」
「……」
何気なしに颯太が放った一言が、私の胸にひっかかる。
きっと颯太にしてみれば、ビジネスとしての正論なんだ。
将来お父さんの会社を継ぐために、社会勉強としてアルバイトに来ている颯太。
コストとか利益のことを第一に考える癖がついてるのも、うなずける。
でも……。
「私としては、お客さんに美味しいものを飲んでもらって、リラックスしてもらうことが一番嬉しいんだよ」
刺々しい声にならないよう気をつけながら言うと、颯太はハハッと軽く笑った。