Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「そこまで沙耶が頑張ったところで、お客の方はたいして気付いてくれないだろ」
……わかってるってば。
でも、そんな問題じゃないのに……。
モヤモヤした気持ちを持て余していると、コーヒーメーカーのランプが消えた。
「俺が運ぶよ」
「ううん、いい」
淹れたてのコーヒーをトレーに乗せて、お客さんのもとに運ぶ私。
買ってきた豆で淹れたコーヒーは、颯太にはわからないかもしれないけど、とてもいい香りがした。
「お待たせしました」
私が声をかけると、お客さんは書類からサッと視線を上げた。