韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
「西村さん早いですね」
「ほら、前に話したゆいちゃん連れてきたから」
アキちゃんと呼ばれたその人は恥ずかしげも無く、半裸の状態からYシャツのボタンを留め、今度は蝶ネクタイを結わえながら私の方を向いて頭を下げる。
「店長の東明ですっと、名刺名刺」
受付の引き出しを開くと名刺を一枚取り出して、にこっと笑う。
引き締まった体から目をそらし、私も小さくおじぎをした。
その顔には精一杯の凛とした表情を浮かべて。
見下されるのが怖かったから、いつも強い自分を演じていたんだ。