韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~


彼を……もし何かに例えるのなら、人じゃなくマスコットみたいだと思った。



男子従業員の制服である黒い蝶ネクタイとベスト。それが本当に似合っていた。



きりっとした瞳に白い肌。



小動物みたいに人懐っこい笑顔。



同じ水商売でもホストを選べばすぐにナンバーワンになれるんじゃないかって、そんな完璧な容姿。



私が忘れられず引きずっているケン。



彼は自分の中で完全にストライクだったけれど、友達はそうでもないと言っていた。



けれど東店長は、おそらく万人がカッコいいと認めるタイプの顔。



これまで勤めてきた店の店長といえば大体おじさんだったから、余計に衝撃的だったのかもしれない。


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