韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
「ひがしあきら、だからアキちゃんってみんな呼ぶんだ」
「……そうですか」
興味の無いフリをして、昔はペルセウスにいてその頃は……なんて私の事を語る西村さんの言葉に適当に頷きながら
久しぶりに戻ってきた業界の控え室をぐるりと見渡す。
どこもそんなに変わりはしない。
椅子と机が散らばり、大概は皆自分の居場所を勝手に作るもの。
面倒に巻き込まれるのはごめんだから
「どこか、座っていい場所あります?」
そう最初に確認をして、一つのテーブルの隅へミラーと化粧ポーチを置いた。
古株やナンバーワン、そんな人が気に入っている場所を勝手に使ってしまうだけで、人間関係がこじれる世界。
それを嫌がる子の為に、個室待機が出来る店もあるけれど、それはそれで少しだけ寂しいからこうして控え室をいつも利用する。