韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
店がオープンすると、昼からお客さんがパラパラと入り、その度にマジックミラーに呼ばれ
「ゆいさんお願いします」
と言うアキちゃんのアナウンスで私は席を立つ。
3階建ての店内、見知らぬ男と手を繋ぎ、階段を上って部屋へと案内すると単調に仕事をこなす。
嫌なのに。
タバコ臭い息も、這うような舌も、目を閉じて耐えなければならないぐらい気持ち悪いのに……。
自分の行き先を無くした私は自ら選び、そしてここから逃げ出す事が出来なかった。
ただ、感情を持たない人形に、なりたかった。