韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
その、某チェーン店からやって来て、ほぼ同じ時期に入店した女の子が二人いた。
レナちゃんとマユミちゃん。
年は、マユミちゃんが私と同じ18歳。レナちゃんは19歳。
仲良しな二人の声はいつも控え室に響き渡り、他人を寄せつけたくないオーラを纏っていた私の心も簡単に溶かして。
お客の少ない昼間の時間はそんな二人と話しながら過ぎていく。
「ちょっとゴメンね」
会話を遮るように鳴り出した携帯のディスプレイに浮かび上がる「前田君」の文字。
私の働くキャバクラで、ナンバーワンの桃子さんにぞっこんな常連客の社長。
その人が時々連れてくる若者が前田君で、私は彼に電話番号を教えていた。
理由はただ一つ。忘れられない人に、少しだけ雰囲気が似ていたから。
つまりは好みのタイプだったのだ。