韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~


「もう仕事行く時間?」



「今日同伴あるんで……」



お客さんと食事をしてから店に入る……いわゆる同伴の日は出発時間が1時間程早くなる。



そっか、と頷きながらお金を手渡したその時、アキちゃんの声が急に小さくなった。



「え?」



真裏の控え室には聞こえないような声で。



「ゆいちゃんさ、今日……飲みにいかない?」



椅子に座っているアキちゃんが、立っている私をじっと見つめるから、子犬のような上目遣いのキラキラした瞳が突き刺さる。



「飲み……って。私が仕事終わるの深夜だし」



「俺もこの店終わるの同じぐらいの時間じゃん?」



風俗店の営業は風営法で12時まで、それから片づけをしていたら確かに同じぐらいの時間になる。


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