韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
ついつい言ってしまった言葉にアキちゃんは「本当?」と口パクで確認すると、
「じゃあ明後日」
手元にあったカレンダーの二日後を指さした。
「はい」
私も同じように小声で頷くと、渡されたのは破り取った明細の紙。
「仕事終わったら電話して」
突然過ぎる出来事でアキちゃんの意図が分からないまま、携帯番号の書かれた紙をポケットにしまい、会話で遅れてしまった時間を取り戻すよう足早に待ち合わせへと向かう私。
この時は、アキちゃんがただ私と一緒に飲んでみたいだけなんだとそう思った。
女には困らないであろう風貌を持ったアキちゃんが、どうして業界のタブーを破ってまで私を誘ったのか、それだけが少し気にかかっていた。