韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~



その頃、雑誌に顔を出した事がきっかけで、ジュエリードールではマユミちゃんが店のナンバーワンになっていた。



昼から夜遅くまで、この仕事を本業に選び働く彼女はナンバーワンになるのが納得の可愛さ



……では残念ながらなかったけれど、大きな口をにっと開いて笑った自然な笑顔がとても素敵な女の子。



「私がナンバーワンとかありえない」



結果を知った本人が一番戸惑っていたけれど、きっと接客も丁寧なんだろう。



私達は、アキちゃんが厳しくない事をいい事に、一緒にバカばかりして過ごしていた。



時には、ゲームで負けた人がお客さんを出迎える時に誰かのモノマネで案内するとか。



マユミちゃんがモデルのように腰をくねらせて、下らないセリフを吐いてる姿。



それをカーテンの裏から声を堪えて爆笑する私とレナちゃん。



そんな風に、いつも明るく場を盛り上げる彼女が……ある日、控え室で俯き泣いていた。


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