韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
旅立ち
「おはようございまーす」
それは、いつも通りだるい体を引きずって、朝一番に店へ入った時の事だった。
私の左隣にあるテーブル。
マユミちゃんとレナちゃんの特等席であるその端に、二人と並んで見慣れない女の子が座っていたのを発見したのだ。
警戒心むき出しでちらりと一瞬目をやると、そこにいたのは長い黒髪をした、お嬢様系大学生……なんて肩書きが似合いそうな子で。
「今日から働く同級生の友達」
……と、レナちゃんに紹介されたその子は、風俗専業で働く二人とは違い、昼間は短大生なんだと言う。
屈託の無い、そしてまだ穢れを知らないであろう彼女。
「ヒトミです。よろしくお願いします!」
朝一で、
ジャンキーで、
明らかに誰も寄り付きたがらない、そんな私に彼女はバカなのか、天然なのか、至って普通に満面の笑みで頭を下げた。