真冬の恋人
彼が溶けて消えたあと、私の膝の上に白い封筒があることに気づいた。
私はそっと掴み、封を開ける。
中には1枚だけ紙が入っており、小さな文字で文章が綴られていた。
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真帆子へ
これを君が開いている頃には、
きっとぼくは空に還っているんだろうね。
ありきたりな言葉なのかもしれないけど、
君に合えて、本当に良かったと思うよ。
ずっとずっと、感謝してたんだ。
あの日ぼくを作ってくれたこと。
ぼくを見て「はじめまして」って言ってくれたのを
ぼくは今でも覚えている。
そして、再び君と会えた。
そういえば、なんでもしてあげるとか言いながら、何もできなかったね。