真冬の恋人
真帆子と手をつなぐことも、その顔に触れることも。
温かいココアを買ってきてあげることも、君を温めてあげることも。
ぼくには何もできなかった。
怖かったんだ。
もう一度、溶けて消えてしまうことが。
できることならずっと真帆子の傍にいたかった。
でもやっぱりそれはできなくて。
だからぼくは、最後に君を抱き締めてから消えたいと思うんだ。
真帆子の体温で、ぼくは空へと還る。
いいアイデアだと思うんだけど、どうかな。
冷たかったら、ごめんね。
あの日ぼくを作ってくれて、本当にありがとう。
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