真冬の恋人
◇白いマフラー
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白いマフラーを首に巻き付け、カイロを手に教室を出た。
ついた途端に白くなるため息。
今日は寒い。
ポツリポツリと外灯が並ぶ帰り道を、一人寂しく帰る。
マフラーで覆った口元と、カイロを握り締めた右手だけが温かい。
「真帆子」
──?
私の名前を呼ぶ声がした。
キョロキョロと辺りを見回すが、それらしき人影は見当たらない。
「……」
さっきのは幻聴だと思い、そのまま家に帰ろうと体を前向きに戻した。
「真帆子」
「……!?」
確かに聞こえた、誰かの声。
恐る恐る後ろを振り向くと、知らない男が私を見下ろしていた。
「やっと見つけた」