秘密にし・て・ね(後編)
「オレさ、2週間くらい前に河野と飲んだとき彼女と結婚したいって相談されて
オレも河野から今まで彼女との事聞いてたし、二人の状況知ってたから結婚に前向きでいいんじゃねえのってアドバイスしたばかりだったからなんか信じられねえっつーか」
「ねえ、河野君は水城さんが友成君に告白したこと知ってるの?」
「言えねえだろ、お前の彼女俺のこと好きみたいだけどどうするんだ?
とか言うのか?ありえねえし・・・・彼女にはすぐその場で断ったから俺としてはそこで終ったもんかと思ってたんだよ。でも河野の彼女、断られた腹いせにオレが彼女の事好きで追い掛け回して困ってるなんて河野に言ったみたいで、さすがに河野から話聞かされたときは驚いたよ。
で、河野にはそんなの彼女の虚言だよって何度も言ったのに信じてくれないんだよ。
挙句の果てには、俺の彼女横から奪うなよって言われて殴られてさ、マジ最悪・・・・」
それで友成君の頬に傷があったんだ・・・・・・・
「彼女はどうしてるの?河野君との不穏な雰囲気察してるでしょ?」
「さあ、オレが断ってからは会っても無視するし、俺も極力関わらないようにしてるから彼女が今どう思ってるかとかはわからねえな。河野ともギクシャクするし、仕事は忙しくて手一杯だし・・・ホント毎日が地獄だよ。なんか疲れた・・・・・」
うな垂れる友成くんは本当に仕事もプライベートもアップアップって感じで疲れきっているのだと思う。
いつも、オレ様で堂々としている友成くんが今日はやけに小さく見えた。