秘密にし・て・ね(後編)

「えっ?藤堂さん、藤堂さん来て下さい!」



大きな声で突然呼ばれ、夏樹は慌てて玄関に行くと友成の腕の中でぐったりとする佳奈がいた。



「どうしたんだ?」



「今突然倒れたんです。多分貧血だと思うんですけど、救急車呼びますか?」



「救急車・・・・・・・・?」



救急車と聞いて夏樹は一瞬ひるんだ・・・・・・・



自分の立場を考えているのだろう。



もしここで救急車を呼んで大事になり一緒に居たのが藤堂夏樹と言う事になれば大騒ぎになるだろう・・・・・・・・



戸惑っている夏樹の気持ちも察するが今は緊急事態。



のんびりしていられない。



その間も、死んだように動かない佳奈を友成は夏樹に渡し、早急に119番へ電話をした。

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