秘密にし・て・ね(後編)

その頃、夏樹は中々鳴らない携帯電話に右往左往していた。


そんな状況を見ていたマネージャーが声をかけてきた。


「夏樹、珍しく落ち着きがないな。何かあったのか?」


いつも、余裕があってどっしりと構えている筈の夏樹が携帯電話を持って楽屋をウロウロしている様はマネージャだけでなくメイクさんたちにも不思議に思われていた。


「そうですよ~夏樹さん今日は珍しく無表情でなんか怒ってるみたいですよぉ~どうしちゃったんですかぁ~?」



代わる代わる声をかけてくる人にも目もくれずただ携帯を見つめている夏樹がいた。



プルルルル・・・・・・


来た・・・・・


ディズプレイをみると知らない番号。




「はい」


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