ブラッティ・エンジェル
好きって?
まるい月。小さな星。広い空。それが全て、朱く染まっている。
 ただただ広い空間に、一人。否、二人。それでも、独りだった。
 一人は地にへばりつき、朱をひろげている。
 一人は、その朱に染まっていた。
 純白の翼、黒で統一された服装。暗めなプラチナブロンド。
 細く白い手は、朱が一番ついていた。
 口は嗤っているのに、目は涙を流して泣いていた。
 そうだと思ったら表情は消え、二つの響きで言う。
「「人殺し。タブーを犯した、天使。」」

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